速水の眼

2023-08-03 介護M&Aコラム Vol.22

【速水の眼】M&Aでよく聞くPMI(Post Merger Integration)とは?

PMI

M&Aのプロセスは短くても数ヶ月、長いと1年以上かかる場合もある一大プロジェクトで、クロージング日は、関わる人々にとっては目指すべきゴールですが、譲受人にとってはスタートでもあります。

譲受後の統合作業をPMIと言いますが、業務の発生が不定期であるため、日常的に譲り受けを行っている大手企業でない限り、PMIの専門部署を置いている企業は稀です。そのため、PMIで何をしていいのか分からないがために譲り受けに二の足を踏む企業も少なくありません。またPMIに関する書籍は少なく、残念ながら実務で使えるレベルではありません。

では、PMIの現場では実際どのようなことが行われているのでしょうか?

弊社でもM&Aコンサルティングの一環で、PMIの助言を行うこともありますが、弊社で実際に今年4月に企業の譲り受けを行った経験も踏まえてご説明していきたいと思います。

まず、PMIは大きく手続き的なPMIと経営的なPMIに分けることができます。

手続き的なPMIとは、経理業務や給与計算、請求業務の統合等です。これらの統合には専門的な知識が必要で、かつミスが許されない緻密な移管が必要となりますが、ある意味やることが明確ですので、経験のある人が行うと成功確率は高いです。そのため、人的なリソースが潤沢でなければ外部の専門家に依頼することをお勧めします。

一方で経営的なPMIとは、予算の策定、営業方針や評価基準、決裁権限等の見直しや、その執行等です。
これは、経営者がこの会社をどのようにしていきたいのか、という経営方針そのものの具体化になります。

自分の会社の経営方針を他人に決めてもらう社長がいないのと同じで、経営的なPMIを外部に依頼することはお勧めしません。一方で、経営方針を固めた後の執行について、人的リソースが足りないので一部の機能を外部に依頼することは考えられますし、実際にこのようなサービスを提供されている専門企業と弊社も提携しておりますので、必要に応じてご紹介可能です。

このように、ひと口でPMIと言っても、分解すると色々な要素に分かれており、外注できる部分とそうでない部分があります。
非日常業務であるPMI部隊を組織化するのは難しいですが、PMIでコケると折角の譲り受けが大きな損失になってしまうリスクを秘めていますので、必要に応じて外部の専門家も活用しつつ、自社で押さえるべき部分はしっかりと押さえることが必要になってきます。

弊社では1000件以上の譲渡譲受けの成約実績がありますので、より具体的なお話を聞きたい方があれば、是非お気軽にお問合せください。

【速水の眼】M&Aでよく聞くPMI(Post Merger Integration)とは?

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