速水の眼

2019-11-06 介護M&Aコラム Vol.07

【速水の眼】当社実績から読み解く(1)~売却の問い合わせの多い業態~

   当社では、介護事業所に特化したM&A仲介サービス『介護M&A支援センター』開始後、約4年で1,000件の売却依頼の問合せがありました。また、介護事業所の買収を希望される企業の登録も4,500社を超えています。日本で最も多くの介護事業所の売却・買収希望登録を抱える当社のデータを公開し、より多くの方に介護事業所のM&Aについて知って頂くことで、より円滑な事業承継のサポートができるのではないかと考えております。
   今回は業態別の売却希望事業について、記させていただきます。

   ①業態別売却希望事業ランキング
   売却希望企業の業態で一番多かったのは「デイサービス」です。以前は介護業界の中では比較的収益性の高い業態でしたが、2015年の報酬改定に引き続き、2018年の報酬改定でも大幅な減額改定となり、小規模デイサービスを単独で運営している事業所を中心に収益性の悪化が進みました。中でも、「機能訓練型デイサービス」や「お泊まりデイサービス」の業態については、売却の問合せが多い傾向にあります。

   また、二番目に多かったのは「住宅型有料老人ホーム」です。土地建物をサブリース形式で賃借することで、初期コストを抑えて開業することができるため、30床以下の小規模な有料老人ホームを中心に全国で一気に供給が増加しましたが、訪問介護やデイサービスに対する報酬の減額改定に加えて、同一建物減算の影響もあり、単独での運営継続に限界を感じて売却の問合せをされるケースが多い傾向にあります。

   続いて訪問介護8.0%、グループホーム7.5%、訪問看護6.4%、サービス付き高齢者向け住宅5.5%、クリニック4.7%、放課後等デイサービス4.6%、福祉用具貸与3.3%、介護付き有料老人ホーム2.0%となっております。

   ②主なジャンル別売却希望割合
   ジャンル別の割合としましては、居宅介護(デイサービス、訪問サービス等)53%、施設介護(老人ホーム、グループホーム等)28%、医療系(病院、クリニック、薬局等)7%、障害系(放課後等デイサービス、就労支援等)7%、その他5%となります。居宅介護が半数以上を占め、次いで施設介護となっていますが、後継者のいない病院や障害系サービスも増加傾向にあります。

   今回は、業態別の売却希望割合について書かせていただきました。
   次回は、売却理由について記させていただきます。

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