成約者インタビュー

成約者インタビュー Vol.08

【デイサービス】会社をより強くしていくためのM&A
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地域に密着したデイサービスを運営されていた前田様、コロナによる人材不足をきっかけに譲渡をご決断されました。会社をより強くしていくため、従業員の皆さんに安心して働いていただくため、また理念や哲学が合致したことから株式会社土屋とのM&Aに至りました。
前田様と譲受された株式会社土屋の杉様からM&Aについてお話を伺いました。今回は有限会社ノーマルライフ前田様のインタビューになります。

インタビュアーブティックス株式会社 三輪

【三輪】高齢者介護事業を始めた理由・経緯について教えてください。

成約者インタビュー

【前田様】直接の動機は両親の介護にあります。
父が脳梗塞で倒れ、奇跡的に意識が回復しましたが麻痺が残り、日常生活において動作ができない状態となりました。
その際、兄弟交代で介護をしたことが介護に関わるきっかけでした。
父はその後在宅介護で亡くなりましたが、在宅介護の間は兄と私とで色々チャレンジし、工夫しました。旅行に連れて行ったり、バリアフリーツアーなども先駆けをして体験したりしました。
その経験から、重い障害をもっていても工夫をすれば、諦めることなくできることも多いということを学びました。
以前、勤務先の会社から医療法人が経営する特別養護老人ホームに福祉出向へ行き、そこでリスクマネジメントについても学び、父の介護の経験もあって自分が思う介護のカタチを自らやってみたいな、ということから介護事業を始めたいと思いました。

また、父が亡くなった後 母が認知症になり、父は身体介護、母は認知症ということで、両親が体をなげうって「さあ 勉強せい」と私たちに示してくれたんだと感じたことから認知症専用デイサービスを始めるきっかけとなりました。

成約者インタビュー

当時は介護保険も既に始まっており、認知症専用デイサービスは東大阪初でした。職員は全員で9名、2階が訪問介護という小さい規模で始めました。
商店街を利用したケアとして、空き地などのごみを若年認知症の男性お二人と一緒に掃除をしたり、お花を置いたりして、通路や道路を養生しました。
それを地域の人もよく見ておられて、「ご苦労さん!毎日ありがとう。」と言われると、本人たちは非常に嬉しくて達成感があり、表情も豊かになり、生き生きとした良いケアになったのかなと思っております。地域とつながることにより、刺激を受けたり、他者から感謝の言葉をかけてもらったり、相乗効果が働いたと思っております。

【三輪】地域とのつながりを大切にされて長年運営されていますが、そのなかで経営時に抱えていたお悩みや課題はありましたか?

【前田様】今回のM&Aに至る一番の動機は「コロナ」でした。
認知症グループホームで1名入居者様に感染者が出まして、精一杯対応はしたのですが、発生から20日間で入居者全員の9名が感染しました。幸い重度には至らなかったのですが、その後職員が次々と感染しました。応援がない中で感染していない職員およそ半分の人材で回していかないといけない。半分の人材で対応することは2倍3倍、それ以上に手間がかかります。
そこから職員が疲労し感染してしまうという悪循環があり、単体の事業所で自己完結ということは非常に難しいと感じました。
もう一つは夜勤者を含め人材確保が難しいということです。
グループホームでは夜勤者を確保しなければならず、人材確保ということが大きなテーマであり、経営課題だなということは感じていました。
コロナにより、職員が日勤・夜勤・日勤という形で無理をすることになることや、人材的な余裕がないことが私の中では大きい宿題ということでいつもありました。

【三輪】そういった課題からM&Aを検討されるようになったということですね。

【前田様】まさにそうです。様々なご案内などをいただきましたが、すぐには…という風には思ってはいました。
ただ、コロナを経験して「そんなことは言うてられへん」ということで、コロナは既に落ち着いていましたが、即決でした。DMやメール、銀行さんの紹介などから自分で調べ、一斉にアプローチしました。

【三輪】その中で他社の仲介会社さまもご検討されたかと思うのですが、譲渡を最終的に決断されたのは一体何が決め手だったのでしょうか?

【前田様】私たちは、認知症のグループホームを継続していくつもりでしたので、自分の会社が安定継続していくために、しっかりした人材確保・バックヤードをもって比較的スケールメリットが大きく経験があるということが重要でした。
たくさんの情報をひとつひとつチェックし、25社の中から計4社お会いすることになりました。

【三輪】そこからどのように1社に絞られたのでしょうか。

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【前田様】M&Aっていうのは譲渡する側からすると最初で最後です。
一生に一回の大事な大事な取引で、わからないことや不安だらけです。それにきっちり寄り添って、丁寧に心理的な面も良くサポートしていただけるということがとても大事でした。
実は当初他社の1社にほぼ決定していました。
面談予定4社の最終でお会いさせていただいた、ブティックスの山口さんからも熱心にご対応いただいたのですが、既に決めていた1社と翌日専属契約を結ぼうと決め、山口さんにお断りのご連絡をメールで入れたんです。
すると、「待ってください!まだ紹介できていない人がいるんです!」と連絡が来ました。

すぐにメールが来て、それが今回お世話になることになった買い手さんとの出会いです。その時は既に他に契約をほとんど決めていた状態でしたので、非常に悩みました。
そんな中、自分の胸に響いたのは、お相手になった会社さんの幹部の方のお話でした。
その内容は、M&Aで一緒になったグループホームで職員がコロナに感染した際に、本社から救援部隊がきて泊まりこみで回復するまでの間、サポート支援をしたとの内容でした。
それを聞いて、これはうちが望んでいたことで大変苦労したことだと思いました。
人材が確保出来てフレキシブルに対応ができるという点が私の視点に合致しました。
その後、お相手の会社の方々と面談をし、私が悩んでいるところをピンポイントにわかっておられて、具体的に後に入る人材まで目の前に連れてきてくれた。即効性・具体性・現実性を考えたら、ここしかないだろうと、そこで本決まりとなりました。
紹介していただいた会社の社長さんとは考え方に共鳴できるところがありました。経営はもちろん大事だけれども、理念・哲学を忘れてはいけないということ。
そこも非常に響いたところでした。

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【三輪】トップ面談から契約まではどのように進んでいきましたか。

【前田様】はじめはスムーズではなかったです。もともと事業譲渡を考えていましたが、賃貸の定期借用で事業所を借りており、法人と家主との契約はそのままにするため、事業譲渡ではなく法人譲渡という形で進めることになりました。
また、手続き面では、譲渡するにあたり行政の手続きができるタイミングがすでに過ぎてしまったため、譲渡は半年後になりますということでした。
それを法人譲渡にすることで定借契約、利用者様との契約、職員さんとの雇用契約、会社名も変わらないため、手続き上の大きな変更がほとんどなくなり、結果としてスムーズに進めることができました。

【三輪】事業所に漏らさないようにということで気を付けていらしたかと思うのですが、実際に従業員さんにお話ししたときの反応はいかがでしたか?

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【前田様】びっくりされていましたが、コロナで大変な状態や人材確保について苦労したこともみんな知っていましたので、従業員の目線からも安定した職場・人材確保が出来るのかということは考えていたかもしれないですね。
M&Aとは今ある会社の理想像をさらに充実させるということで、自社だけではできないことですから、リソースを持っているところと組むことにより経営が安定し、従業員の待遇の改善や職場環境を今より良くできるというポジティブな面をしっかりと伝えました。
私も創業社長なので個人的にはもちろん色々ありますし、自分の分身みたいなところもありますが、ひとつの組織として、小さい会社の課題解決の一つとしてM&Aは大いにありかなと思いますね。

【三輪】担当したコンサルタントの対応はいかがでしたか?

【前田様】山口さんを非常に凄いなと思ったのが、私が不安で悩んでいることや要望をしっかり聞きながら、相手さんの要望や質問、疑問を聞いていただけたことです。
あとで見直してみたら、ファイル数、メールの数、書類の数…ものすごかったです。
私も毎晩家に帰ってほぼ寝ずに書類やデータづくりをしていましたが、それに真摯に対応してくださったのが良かったです。

【三輪】売却後の状況として仕事面ではどうでしたか?

【前田様】事業継承がうまく引継ぎができるかというのが大事なポイントですね。
特に職員さんの気持ち・モチベーションについては非常に気にかけていた部分でしたが、代わりに来られた方は、爽やかでエネルギッシュで、コミュニケーションも上手く、非常に良い方が来られて、職員さんも大変喜んでいましたので安心しました。
利用者様の状況の把握、特にご家族とのコミュニケーションはとても大事な部分で、短期間では引継ぎ出来ないところがあるので、これからもサポートをさせていただければと思っております。

【三輪】今後はどういったことをやっていきたいですか?

【前田様】街づくりとか介護でやり残した部分を、もう一度勉強し直したいという気持ちがあります。
1つは東大阪で初めての認知症専用デイサービスを立ち上げた経験もあるので、”認知症のケアを極めたい”ということで、認知症介護指導者として色んな認知症施策について関わっていきたいと思っています。認知症の方も諦めず、希望する人生・暮らし方ができるよう支えるということは、ますますこれから大事な仕事だと思っており、まずはそれを極めたいと思っています。

2つ目は、防災士の資格がありますので、地域防災にしっかり取り組むことです。
ご近所との関係やつながりを持ち、助け合いの地域を作り出していく。それが私の考えるBCP計画で、必要なことだと考えています。

【三輪】これから譲渡を検討される方へメッセージがあればお願いします。

成約者インタビュー

【前田様】大変戸惑い、悩み、勇気のいることだと思います。それは当然です。
守りではなく攻めの発想で、今ある自分の会社を強くしていくため、従業員に安心して働いていただくために、どのような経営資源・経営環境を整えるべきか考えたとき、私はM&Aはひとつの有効手段だと考えています。
お譲りする側の気持ちとか想いを考えると、譲った後で「はい、終わり。」とは割り切れないところがあります。そう言った気持ちをくみ取っていただき、マッチングした譲渡先と担当コンサルタントと協力することがM&Aを進めるうえで大事なポイントだと思います。

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