2024年2月29日
介護保険制度

アドバイザーの眼:~訪問介護で基本報酬減算を強化?!~

アドバイザーの眼:~訪問介護で基本報酬減算を強化?!~

4月の報酬改定の日が近づいて、様々な情報が開示されてきています。
その中で先日気になった記事を見つけました。
「【2024年度介護報酬改定8】介護保険制度の安定性確保のため、「同一建物居住者へのサービス」が著しく多い訪問介護で基本報酬減算を強化」【引用元https://gemmed.ghc-j.com/?p=59012
というもので、訪問介護の基本報酬の減算についての記事でした。
報酬アップをといわれている中で減算、という話なので詳しく調べてみました。

訪問介護の基本報酬の減算の内容とは?

<前提条件>
事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物に居住する者に提供されたものの占める割合が100分の90以上である場合

<減算の内容>
上記の前提条件に当たる場合は、「報酬を12%減算する」という新たな区分を設ける。

訪問介護をしていらっしゃる方はご存じですが、この減算はすでにあります。
今回は改定前の10%から12%へ変更(+2%の減算比率増)になるというものです。
このように2%の減算ということなのであまり高いインパクトではないと思われますが、では実際の売り上げにしたらどれくらいさがるのでしょうか。

該当する対象事業所の売上/利益におけるマイナス%想定は?

前提条件に改定前より該当する介護事業の場合:-2%減(訪問介護の報酬)
売上も減算の割合と同じ2%が想定されています。
今回の改定の狙いは、「同一の敷地、隣接する敷地の建物に住む利用者が50人以上でなくても、全体の9割以上であれば高い減算を適用することに決めた。」という点です。
参考記事:https://www.joint-kaigo.com/articles/20715/

<要点>
上記の前提条件に当たる場合は、「報酬を12%減算する」という新たな区分を設ける。

1.今まで50名以上の利用者が、いわゆる同一建物集中減算として高い減算率(15%)だったのが、訪問介護事業所と同一の敷地、隣接する敷地の建物に住む利用者が、事業所全体の利用者の9割以上である場合(利用者1~49名の場合)、10%と15%の間である12%という減算率となりました。

2.同一の敷地、隣接する敷地の建物と定義されないように、少し離れた場所でアパート・事務所などを借り、施設に訪問する建付けとして利用者を19名以下に抑えることができれば、「減算なし」として変更はありません。

※同一の敷地、隣接する敷居の建物の定義
同一敷地内建物等とは、「事業所と構造上または外形上、一体的な建築物」、及び「同一敷地内、隣接する敷地にある建築物のうち効率的なサービス提供が可能な建物」を指します。
具体的には、同じ建物の別のフロアに事業所がある場合や渡り廊下などで繋がっている建物、同一敷地内の別棟の建物、幅員の狭い道路を挟んで隣接する場合などが該当します。

改訂前
場所 人数 人数比率 減算率
同一建物等 1~19名 比率関係なし 10%
アパートなど別建物 1~19名 比率関係なし 減算なし
同一建物等 20~49名 比率関係なし 10%
アパートなど別建物 20~49名 比率関係なし 10%
同一建物等 50名以上 比率関係なし 15%
アパートなど別建物 50名以上 比率関係なし 10%
改訂後
場所 人数 人数比率 減算率
同一建物等 1~19名 同一建物等への訪問比率9割以上 12%
同一建物等 1~19名 同一建物等への訪問比率9割未満 10%
アパートなど別建物 1~19名 比率関係なし 減算なし
同一建物等 20~49名 同一建物等への訪問比率9割以上 12%
同一建物等 20~49名 同一建物等への訪問比率9割未満 10%
アパートなど別建物 20~49名 比率関係なし 10%
同一建物等 50名以上 同一建物等への訪問比率9割以上 15%
同一建物等 50名以上 同一建物等への訪問比率9割未満 15%
アパートなど別建物 50名以上 比率関係なし 10%

まとめ

訪問介護で基本報酬減算を強化について、説明いたしました。

<訪問介護における減算比率の改定ポイント>
改定前:10%減算 改定後:12%減算(+2%の減算比率増)
売上へのインパクトも同様の2%程度になると想定されています。

ライター紹介
太田 丈史
太田 丈史 氏
ブティックス株式会社 エグゼクティブコンサルタント

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またはお電話( 0120-377-051 0120-377-051 )より、お気軽にお問合せください。

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