【地域密着型デイサービス】一人ひとりに寄り添う介護を目指して――前代表から受け継いだ想いと事業承継
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コンピューター関連の仕事や広告業界を経験した後、介護の世界へと飛び込んだ田嶋様。その原点には、30年以上にわたり現役の介護士として働き続けるお母様の存在がありました。「一人ひとりに寄り添う介護がしたい」という想いが前代表の考えと重なり、事業承継を成功されました。そんな田嶋様から介護への想いや承継後の事業運営についてお伺いしました。
インタビュアーブティックス株式会社 畑生
まず、田嶋様のお仕事やご経歴について教えていただけますか?
高校卒業後、ソフトウェアとハードウェアの両方を学べるコンピューター関連の専門学校へ進学しました。卒業後は銀行関連のシステム開発などに携わり、プログラマーとして勤務していました。ただ、仕事を続けるなかで「自分が本当に進みたい道はこれではないのではないか」と感じるようになりました。結婚を機に九州へ戻り、その後は広告代理店などで働いていました。
介護業界に入るきっかけとなったのは母の存在です。私の実家は熊本ですが、母は30年以上にわたり現役の介護士として働いています。そんな母の背中を見て育ったこともあり、次第に介護の仕事に関心を持つようになりました。
そこで、特別養護老人ホームを運営する会社に正社員として入社し、本格的に介護の世界へ入りました。しかし働いていくうちに、「もっとさまざまな現場を見てみたい」という思いが強くなりました。そこで特養での勤務に加え、障害者グループホーム等の障害者施設でも働くようになり、一時期はトリプルワークをしていました。
(田嶋様)
複数の現場を経験したことで、それぞれの施設に異なる特徴や役割があることを学びました。特養では重度の利用者様が多く、私が勤務していた施設は60床規模だったため、日々多くの利用者様を支える必要がありました。その中で、おむつ交換や入浴介助など生活を支えるケアに多くの時間を要し、機能訓練や個別の関わりに十分な時間を確保する難しさを感じる場面もありました。もちろん施設によって運営方法やケアの考え方は異なると思います。しかし、私が働いていた現場では、一人ひとりに寄り添ったケアを実現することの大切さを学んだ一方で、限られた時間の中でそれを十分に実践することの難しさも強く実感しました。そして、「どうすれば利用者様一人ひとりにもっと寄り添える施設をつくれるだろうか」と考えるようになったのです。当時は施設内で一定の立場にありましたが、自分が理想とするケアを実現するためには、より広い視点で施設運営に携わることの必要性を感じるようになりました。そうした経験を通じて、「いつか自分で施設運営に取り組んでみたい」と考えるようになったことが、現在につながる大きなきっかけです。
私は、利用者様にとって施設は人生の最後の住まいになる可能性が高い場所だと考えています。だからこそ、「この施設で過ごせて良かった」と思っていただける場所にしたいのです。介護の現場は現状維持だけでも大変なことですが、そのなかで少しでも利用者様の生活が豊かになり、安心して毎日を過ごしていただけるような施設づくりを目指しています。
実際にトリプルワークを経験し、特養だけでなく障害者グループホーム等の障害者施設などさまざまな現場を見ることができたのは、自分にとって非常に大きな財産になりました。
そして今も、もうすぐ75歳になる母が熊本で現役として元気に働き続けています。その姿は私にとって大きな刺激であり、介護の仕事に向き合う原動力にもなっています。
そのような想いから介護事業を始められたのですね。弊社を知ったきっかけは何でしたか?
介護M&A支援センターのことはネットで知りました。自分で施設を立ち上げることも考えていましたが、どうしても多くの資金や時間が必要になるため、新規で立ち上げるだけでなく、既存の施設を引き継ぐという選択肢についても情報収集をしていました。
日頃からインターネットで介護施設の事業承継やM&Aに関する情報を検索し、「どのような施設が事業承継の対象になっているのか」「どのような想いを持った経営者の方がいるのか」を継続的に見ていました。
今回の案件を検討された際、譲渡企業のどのような点に魅力を感じましたか?
一番魅力に感じたのは、施設全体のアットホームな雰囲気でした。実際に見学した際、利用者様と従業員の皆さんのやり取りを見て、「とても良い施設だな」という印象をすぐに持ちました。
また、従業員一人ひとりの何気ない言葉遣いや接し方から、利用者様としっかり向き合い、それぞれの方に寄り添った支援をされていることも強く印象に残りました。私自身が理想としている「一人ひとりに寄り添うケア」が実践されていると感じられたことが、今回の案件を前向きに検討する大きな理由になりました。
そこが前代表と価値観が似ておられる部分ですよね。
そうですね。現在は事務業務や営業活動、新規利用者様の獲得など、本当にさまざまな業務に取り組んでいて、正直なところ毎日が慌ただしいです。あれもこれもと対応している状況で、毎日があっという間に過ぎていきますね。
これまでの仕事では、積極的に新規開拓を行う営業も経験してきました。ただ、福祉・介護業界の営業は一般的な営業とは大きく異なると感じています。数字だけを追いかけるのではなく、地域の方々や関係機関との信頼関係、人と人とのつながりが何より大切な業界です。これまで前代表が長い時間をかけて築いてこられた地域からの信頼があります。また、営業先も限られている業界ですので、その信頼を損なわないよう慎重に取り組んでいかなければならないと考えています。
(利用者様と田嶋様)
担当コンサルタント(畑生)の対応はいかがでしたか?
実は畑生さんとお話しする前にも、別の案件で何人かの担当者の方とやり取りをしていました。その中でも、畑生さんが一番話しやすかったですね。やり取りも非常にスムーズでしたし、こちらから質問したことに対しても迅速に回答していただけました。その場で確認が難しい内容についても曖昧なままにせず、後日きちんと調べて回答してくださったので、とても信頼できると感じました。
また、私にとって今回が初めての事業の引継ぎだったこともあり、何が分からないのかさえ分からないような状態でした。そんな中で、畑生さんのほうから「こういった点は大丈夫ですか」「こちらは確認されていますか」といった形で随時声をかけていただけたのは本当に助かりました。
こちらが疑問に思ったことを気軽に相談できる雰囲気をつくってくださっていました。常にこちらの立場に立ってサポートしていただけたと感じています。初めての事業承継で不安もありましたが、安心して進めることができたのは畑生さんのおかげだと思います。
事業承継はリスクも伴うため、注意すべきポイントはお伝えするよう心掛けています。そう言っていただけてうれしいです。
事業承継を進めるうえで、特に意識されたことはありましたか?
一番意識していたのは、分からないことを曖昧にせず、「分からない」と素直に伝えることです。私自身、事業の引継ぎは初めての経験でしたので、専門的な内容や手続きの中には、序盤は理解が追いつかない部分もありました。ただ、分からないまま話を進めてしまうと、後々大きな認識のズレにつながる可能性があります。そのため、少しでも疑問に思ったことや不安に感じたことは、その都度確認するようにしていました。
田嶋様のそういった学ぶ姿勢が前代表や従業員の皆様にも伝わっているからこそ、引継ぎ後もうまくいっているのだと思います。実際に当センターを利用して事業のお引継ぎを行ってみていかがでしたか?
全体を振り返ると、事前に思い描いていたイメージに近い形で進めることができたと感じています。
もちろん初めての事業引継ぎですので不安はありましたが、準備の段階でリスクについても一つひとつ確認できていましたし、「こんなはずではなかった」というような大きなギャップはありませんでした。事前にしっかりと情報共有や確認ができていたことが大きかったと思います。
また、畑生さんには私と前代表ご夫婦との架け橋としてきめ細かくサポートしていただきました。疑問点や確認したいことがあればすぐに相談できましたし、スムーズにコミュニケーションを取ることができました。さらに、前代表ご夫婦にも大変お力添えをいただきました。引継ぎの際にはさまざまなことを丁寧に教えていただき、本当に感謝しています。
今後の展望について教えてください。
まずは施設の稼働率向上に取り組みたいと考えています。現在は6~7割程度ですので、今後は9割程度まで高められるよう、利用者様の受け入れ体制の整備や地域への周知など、必要な準備を進めていきたいですね。
また、利用者様には毎日を快適に、そして楽しく過ごしていただきたいと思っています。大きな病気やけがをすることなく、できるだけ今の状態を維持しながら安心して生活していただけるような施設運営を目指しています。そのためにも、従業員の皆さんとしっかり協力しながら、より良い環境づくりに取り組んでいきたいです。
さらに将来的には、施設運営の基盤をしっかり固めたうえで、施設数を増やしていくことも視野に入れています。ただ、まずは目の前の課題を一つひとつ着実にクリアしながら、地域に必要とされる施設をつくっていきたいと考えています。
最後に、事業承継やM&Aを検討されている事業者の方へメッセージをお願いいたします。
私自身、ここまでトリプルワークを経験し、体力的にも精神的にも大変な時期を過ごしてきました。それでも、「人生は一度きりだから、自分のやりたいことに挑戦したい」という思いで進んできました。
M&Aや起業を考え始めると、不安や重圧を感じることも多いと思います。私もそうでした。ただ、頭の中で考えすぎると、だんだん行動できなくなってしまうこともあります。もちろん慎重な検討は大切ですが、まずは情報収集をしてみる、話を聞いてみるなど、小さな一歩でも行動してみることが大切だと思います。夢や目標があるのであれば、できるだけ早いうちに挑戦することをおすすめしたいですね。
私は、県外へ移住して一人で新たな挑戦をしてきましたが、今はとても充実しています。自分自身が前向きで幸せに働けるからこそ、利用者様にもより良く寄り添えると思っています。ぜひ恐れすぎず、一歩踏み出してみてほしいですね。
本日は貴重なお話を聞かせていただき、誠にありがとうございました。今後ますますのご活躍をお祈りしております。
