成約事例

お客様の声 Vol.06

【デイサービス】将来への不安を一人で抱えながら会社の規模拡大のために決めた譲渡

機能訓練デイサービスを経営されていた高橋様はご自身の年齢と会社の今後の成長のためにM&Aを決断されました。 会社の成長、利用者様、スタッフの将来を考え譲渡を決定されたとお話しくださった髙橋様。 現在は昔からの夢であった水のきれいな地域でのんびりと過ごされているそうです。

お客様の声

インタビュアーブティックス株式会社 大塚

【大塚】 経営時に抱えられていた悩みや実際に利用者さんにどう接していくかなどもありますが、一番課題は何だったのでしょうか?

【髙橋様】 まずは運転資金ですね。5000万円借りて返した後にまた5000万円借りるので、家族に儲かっているのか損しているのだかわからないって言われていました。
また利用者の確保、そしてスタッフの採用もですね。自分の会社のように小さい会社はなかなか目を向けてもらえないため、いかに採用したスタッフを辞めさせないかも大切でした。そういうことを考えると夜眠れなくなってしまうこともありました。

【大塚】 そういった悩みを話す相手はいたのでしょうか。

【髙橋様】いませんでした。スタッフには資金面の話はできません。赤字にしないようにしなくてはいけないので、一人で悩んでいました。

【大塚】 実際に譲り渡すことを決断するまでに不安に思っていたことは?

【髙橋様】 このままやっていて平気かなという不安は常々ありました。
ちょうど譲り渡しをしようと決めた時がコロナの前で、譲り渡ししたときは少し収まった時でした。だから意外と運がよかったかもしれません。
利用者は当時ほぼ満員でしたが、もし売却が今だったら、利用者は何人くらいになっていたのかわからないです。
売るタイミングは大切だと思いました。
自分のように資金や利用者、スタッフのことを悩んで毛がなくなっちゃうような人(笑)は売れるときに売ったほうが良いと思います。
もし売ろうかなと思っている人がいるなら、ちょっと前向きに考えたほうがいいですよ。

【大塚】 譲り渡しを決めてから、本当に実施していいのかなど葛藤はありましたか?

【髙橋様】 悩みはありました。20年以上施設を運営してきました。介護保険が始まったから始めたので正確には20数年ですね。 実は今回の売却前にも一度売却を検討していましたが、その当時は本当に譲渡をしていいのか悩みながら資料の準備などをしていました。 残念ながらその時はご縁がありませんでしたが、2回目の今回の時にはやるということを決めて実施しましたので、そこまでは悩みませんでした。

【大塚】 譲り渡しを決断されたご理由は何だったのですか?

【髙橋様】 自分がいつまでもやっていても会社そのものが大きくならないと気が付きました。
1人でやっていると限界があるというのがわかったということと年齢的なものですね。
また65過ぎると生命保険ががくんと上がります。5000万も借入をしていると何かあった場合のためにそれに見合った生命保険が必要となります。家族に借金を残していくことはできないですからね。
今までは保険料が7万ぐらいで済んでいたものが65を過ぎると20万以上になってしまいました。
そこまで会社のお金を使ってまでここにしがみついていていいのか、そのお金を使ったら人を増やしたり、備品だってもっとよくできたりすると思ってしまいましたね。
やはり65を過ぎるとつらくなってきます。

【大塚】 従業員がそのお話を初めて聞いた時の反応はいかがですか。

【髙橋様】 ワンマン社長でしたので、譲り渡すと決めたときに、とにかく自分は現場から手を引かなくてはいけないと思いました。
言い方は悪いですが、売るって決めたときにはできるだけさぼりました。どうしても必要な時にだけ手を貸しましたが、従業員を自立させるため、自分がいなくなっても困らないように何をしませんでした。
そのため、譲受企業が決まることになった時、従業員に説明をしましたが、「あっそう」とだけ言われました(笑)。正直寂しかったですが、安心もしました。

【大塚】 従業員の中には動揺される方もいらっしゃるかと思ったのですが、そういったことはなかったのですね。

【髙橋様】 売却の説明をする際、仕事も賃金も保証されているといことを先に話をしてから話したので、スタッフの態度はあっけらかんとしていて、どうということはありませんでしたね。
自分がたくさん関与していると頼ってしまう。いなければ自分たちで考えてくれるといことですね。
大きなものはもちろん対応しましたが、小さな問題であれば自分たちで解決してもらっていました。

【大塚】 実際会社を譲り渡しされた後、今はどのようにお過ごしされていますか?

【髙橋様】 将来水のきれいなところで住みたいという夢があったので、現在は1ヶ月のうち24~25日は新潟の湯沢に行っています。
いまは夏なので川遊びで石の下にいるイワナを手で捕まえたりしています。山でクマを見かけることもあります。
湯沢は自然がいっぱいあっていいところです。
第二の人生を考えたときに、まるっきり違うところに行ってみるのもいいのかなって感じました。

【大塚】 譲り渡しをした後の率直な感想はいかがですか?感じられていることはありますか?

【髙橋様】 譲り渡しをする前はたくさん考えました。本当にたくさん考えました。結婚するときぐらい考えましたね。
本当にこれでいいのか、と。だから逃げ道を自分で作っていました。ブティックスが良くなかったらすぐやめようと。
もう駄目だったらもうすぐ逃げる。自分の考えと違ったら逃げる。そう思って進めていました。
ただ、自分がそこにしがみついていることに会社にとってメリットあるのかを考えたとき、
自分自身にはメリットがないし、会社にとってもメリットがない、と思いました。
どうしても自分でしかできない仕事がある社長っていうのはそのままでいったら必ず将来会社がなくなるのではないかと思います。誰かに渡さないとね。
確かに渡すときは寂しいですよ。
利用者やスタッフにあっさりと認められると、俺は何のために仕事していたのか、と悲しくなりました。
でもそれぐらいにならないと本当に縁が切りにくいかもしれません。
譲り渡したら本当に関わっちゃ駄目だと思います。相手の会社に対して失礼だし、自分は何やっているのだろうとなってしまいます。
踏ん切りがつくまではいたほうがいいとは思いますが、いればいるほど会社にはマイナスになると思います。会社にいると自分の無駄な人件費や生命保険など考えただけで毎月最低でも5~60万以上なくなってしまいます。
きつい言い方かもしれませんが、自分が会社をダメにしてしまうことを考えたほうがいいと思います。
自分も最後はそうなってしまっていたかもしれません。自分がいるデメリットが大きいと感じました。

【大塚】 組織の成長にとって、ご自身の存在がブレーキになっていると感じられた、という意味でしょうか?

【髙橋様】 そうですね。自分がいたら若くならない。つまり新しいこと、考えが生まれないということだと思っています。

【大塚】 今悩んでいる方へメッセージがあればお話しください。

【髙橋様】 黒字の時こそ売り逃げるのがいいです。逃げるというのは言い方が悪いかもしれませんが、逃げることで会社が成長するのならいいと思います。
また黒字になったら売るのが良いです。赤字ではいい価格では売ることができません。

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またはお電話( 0120-377-051 0120-377-051 )より、お気軽にお問合せください。

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