【デイサービス】経営者のリタイアによる、後継者探しと、会社売却の成約事例
「デイサービスめいゆう」を経営する株式会社明友ケアーズの社長である久保様は、高齢により、経営者としてのリタイアを決断されました。介護事業の経営においては、利用者保護の観点と、従業員の雇用確保が、とても大切です。譲渡が実現する前から、「利用者と従業員のため、自分自身が身を引く事が大切」と、力強く語って下さった久保社長。
決断に至った心境と、譲渡後のお気持ちを久保社長に伺いました。
インタビュアーブティックス株式会社 太田
【太田】介護事業を始められたきっかけは、なんだったのでしょうか?
【久保社長】私は、介護事業を始める前は、父親の代から60年間ガソリンスタンドを経営しておりました。
ガソリンスタンド業界が傾きはじめた頃、介護保険制度がスタートしました。私の友人がデイサービスを開業し、その成功を聞いたことがきっかけです。今まで介護事業の事は全く知らなかったのですが、見よう見まねでスタートしました。始めてみると、その魅力に気づき、12年間も経営していましたね。
【太田】なぜ譲渡をしたいと決断されたのでしょうか?
【久保社長】2006年11月から約12年間、精一杯経営してきた「デイサービスめいゆう」は、利用者や従業員からも、とても慕われるデイサービスとなっていました。経営は順調ではあったのですが、私自身は月~土まで働き、休日は週に一回。送迎まで自分で行い、満身創痍の状況でした。「私が倒れるような事が、万が一にでもあったとしたら、慕ってくれている利用者や従業員はどうなってしまうだろう」と考えた事がきっかけですね。
【太田】当社にお声がけ頂いたのはなぜでしょうか?
【久保社長】売却を決断してから、インターネットで調べたところ、貴社の評判が良い事がわかり、問い合わせをしました。
そうしたら、太田さんが電話で対応して下さって、「では、今すぐ行きますね。」と答えてくれました。決断したからにはスピード感を持って対応してくださる会社が良いと考えていたものですから、そのスピード感には感服いたしましたね(笑)。
【太田】ありがとうございます!お答えしづらいかもしれませんが、実際に私とお会いいただいて、いかがでしたでしょうか?
【久保社長】とても信頼できる会社と担当さんだと確信しましたね。やはり介護に特化していて、M&A以外でも介護の人脈を広げている事が強みなのかなと思いました。
何にも資料を出していないのに、利用者の数だけで売上が推測できるのは、さすがだと感服しました。
【太田】豊富な経験がありますので、すぐに売上は把握できますね。買い手候補とは2社お会い頂きましたが、お気持ちはいかがでしたか?
【久保社長】買い手候補と会うまでの速さに驚きました。初めて太田さんに会ってから1ヶ月での買い手候補面談になるとは思ってもいませんでした。2社ともに、とても良い会社だと思いましたが、譲り受けて頂いたBodypioneerの河合社長は、まだ若いのに覇気に溢れ、良い出会いができたなと感じています。
そして、ドライバーとして私自身の雇用を継続してくださるとも思っておりませんでした。
【太田】今日は、そのBodypioneer株式会社の河合社長にもお越しいただいております。河合社長としては、今回のM&Aはいかがでしたでしょうか?
【河合社長】当社のデイサービスから近いこともあり、以前から「めいゆうケアーズ」の事は知っていました。
評判の良いデイサービスでしたので、ブティックスさんにお声がけ頂いたときには、すぐにお会いしてみたいと思いましたね。
面談させて頂いたときにも、久保社長の「めいゆうケアーズ」を大切にしている感情が伝わってきまして、是非譲り受けたいと強く感じました。
【太田】今回の譲渡では、建築基準法の兼ね合いで株式譲渡での譲り受けとなりましたが、そのご判断についてはいかがですか?
【河合社長】当初は事業譲渡で考えており、東京都への新規申請の提出を検討していましたが、どうしても用途変更ができず、悔しい思いをしました。ただ、久保社長の熱い思いをこのデイサービスには感じていたものですから、何としてでも譲り受けたかったです。太田さんには何度も相談して、リスクはありますが、株式譲渡を決断しました。結果としては、事業譲渡・株式譲渡、どちらでも構わなかったですかね。
消防署や、東京都に色々掛け合って下さって、太田さんには感謝しています。
【太田】譲り受け後の事業運営はいかがでしょうか?
【河合社長】地域に愛されているデイサービスですから、ケアマネさんや利用者・従業員に多少の混乱はありましたが、誠心誠意のご説明を繰り返し、最終的には落ち着いた事業運営ができています。
【太田】最後に、お二人からM&Aに対するアドバイスがあれば、是非お願いします。
【久保社長】他に2社M&Aの仲介会社にお会いしたのですが、決算書だけで価値を判断され、良い売却価額の提示が無かったんです。介護事業への理解度が高いM&Aの会社選びがとても大切だなと感じました。
【河合社長】良い売却価額と久保社長は言っていますが、私にとってはとても適切な価額だと思いますよ。デイサービスを1件、新規で立ち上げしたら、順調にいくまでの赤字分や内装工事・賃貸借契約なども含めて、3,000万円の投資は最低でもかかります。それが今回は、その投資を下回る価額でお譲り頂けていますから。
ブティックスさんの仲介で譲り受けて良かったのは、介護スタッフや利用者、新規申請に慣れていらっしゃるところですね。スタッフへの説明会での立ち回りには、とても感心いたしました。
ブティックスさん以外でも介護のM&Aを手がけている会社はあると思いますが、介護に対する経験値はとても大切だなと感じます。
【太田】久保社長と河合社長の、事業にかける想いをマッチングすることができ、私としてもとても嬉しいです。本日はありがとうございました。