2019-07-18 介護M&Aコラム Vol.05
【速水の眼】買収で失敗しないためのたった3つのコツ
みなさんの会社ではこんな悩みはありませんか?
・どんどんM&Aをして拡大したいのに、中々思ったような案件を紹介されない
・他の買い手に案件を持っていかれた
・売り手との相性が合わなくて交渉が頓挫した
採用難や建設コストの上昇が進む中、M&Aを成長戦略の柱に掲げる会社は急速に増えていますが、矢継ぎ早に買収に成功する会社と、中々買収できない会社の二極化が進んでいるように思えます。
どうしてこのような差が生まれるのでしょうか?
今回は失敗しない買収の3つのコツをお話ししたいと思います。
①事前の準備と情報収集
M&Aは当然、相手がいなければできませんが、少ない選択肢から希望に合致しない施設を無理に譲り受けると、投資回収できないばかりか既存の事業にまで悪影響をもたらす可能性もあります。そのため、常日頃から多くの案件情報を収集して相場観を養うとともに、チャンスを確実にモノにするための準備をしておくことが重要です。買収後の統合作業は自社のエースを投入するのが鉄則です。そのためにはエース抜きでも既存施設が問題なく回る準備が必要です。
また、買収を決めたのに資金調達に失敗することの無いように、常日頃から自社の借入余力を把握しておくことも重要です。既存事業の決算書は社長の経営能力の通信簿です。買収資金調達の可否の8割方は既存事業の決算で決まると考えてよいでしょう。
②経営者が買収戦略にコミット 昨今、介護業界は規模拡大、陣取り合戦の様相を呈しています。そうなると重要になるのがスピードです。 買収交渉の過程では様々な利害調整と決断が必要になります。買収の巧みな会社は、経営者自らが陣頭指揮を取って交渉に当たるケースが多く、M&Aの専門チームを作っても、経営者との距離が非常に近いです。 担当者が経営者の意向を上手く汲み取れてない場合や、不要な忖度をしている場合には、おのずからM&A仲介会社も、方針が明確で決定力のある買い手に優先的に案件を紹介することになるでしょう。
③売り手への配慮
案件が大詰めになってくるとよく起こるのが、売り手の不安です。通常、買い手の経営者にとって、M&Aは日々数多くの課題に対処されている中での一つの決裁事項に過ぎませんが、譲渡直前の売り手経営者にとって、頭の中は譲渡一色です。
介護事業の運営経験に自信がある買い手経営者は、引継従業員への説明会や引継ぎの段取りを詳細に準備されないケースもありますが、それが売り手経営者や従業員の不安と迷いを引き起こします。買収巧者は企業規模の大小に関わらず、売り手の心情に配慮した誠意あるコミュニケーションが印象的です。
以上、今回は代表的な3つのポイントをお伝えしましたが、それ以外にも多くのポイントがあります。当社では240件以上の介護事業者のM&Aを成功させてきましたので、お悩みの点があれば、是非ご相談ください。