買い手企業ご紹介 Vol.01
株式会社3eeeを経営される田中様。3eee様は売上30億、営業利益10%という計画に向け、M&Aを積極的にされてる企業様です。M&Aの目的や譲渡企業を選択される基準、今後のご展開についてお伺いしました。
インタビュアーブティックス株式会社 三輪
【三輪】まずは会社のご紹介をお願いいたします。
【田中様】株式会社3eeeは2010年に法人を作り、当初はヒューマンリンクという会社名でスタートしました。
2011年2月にデイサービスをOPENし、そこからおよそ4年で100店舗に至るまで一気にブームに乗ってフランチャイズ含め展開してきました。北海道における介護度の維持改善では10年連続NO.1の実績を持ち、今では介護度の維持改善のみならず、様々なサービス種別を介護・障害福祉分野で展開し、全国で100を超える事業展開をしております。
【三輪】2010年にヒューマンリンクという会社名で設立されてから、2019年に株式会社3eeeに社名変更されたのは何かきっかけがあったのでしょうか。
【田中様】介護福祉業界がもっと先進的な事業と思われて、若者が目指す業界になってほしいという想いが以前からありました。介護を連想させる社名から、将来に夢や希望を抱けるITビジネスのような社名にすることで、介護福祉業界をまた別の角度から元気にして行ける会社になりたいと思い、設立10周年を機に大きくイメージを変更しました。
【三輪】設立されてから複数M&Aのご経験がおありですが、譲受されている目的を教えていただけますでしょうか。
【田中様】M&Aで事業所を譲受するのは、今まではグループ内での身内買収が多かったです。M&A経験は全部で5社になります。直近では3つの会社をまずは子会社化して、そこから完全に吸収というステップでM&Aした実績があります。
現在のM&Aの目的としては、新たなサービス種別で事業の拡大を考えているのと、新しいサービス種別を展開するにあたっての人材確保というテーマ含めM&Aをしています。
ブティックスさんはM&Aでの買収に向けて動いている中で金融機関からご紹介いただきました。
【三輪】既に5社ほど買収を進められてきたとのことですが、その際の引継ぎで何か気を付けていたことはございますか?
【田中様】身内買収が多かったのですが、引き継ぎ時は従業員の皆様がストレスなく移行できる環境にすることにかなり気を付けていました。
例えば、一旦資本だけ入って、運営を慣らしてからの完全統一にするなど時間をかけるようにしていました。
そうすることでスタッフはロスが無く移行することができました。移行期間としては、決算期のタイミングにもよると思うのですが、1年あればと考えています。
【三輪】譲り受けの方法や従業員様・オーナー様の継続などご希望はありますか?
【田中様】それもケースバイケースですが、株式譲渡・事業譲渡を選択肢とし検討しています。
どちらか一方にこだわることはなく、状況によって判断しています。
従業員様の雇用に関してはもちろんそのまま継続いただくことを希望しています。オーナー様の継続については、ご本人のご希望や実際にお会いしてみて相性の部分もありますが、素敵な方・実績のある方でしたら当然グループインしていただいたほうがいいなと思っています。ご希望に合わせられるかどうかについては、我々が慣れているサービスかどうかにもよるのですが、新規展開するサービス、例えば介護以外である場合は継続いただいた方が助かりますね。
今まで事業展開をしてきて培ってきたノウハウもあると思うのですが、あくまでもリスタートを切るという形になるので、心新たに希望をもって参画していただけると嬉しいです。
【三輪】株式会社3eeeが譲り受けすることで想定される相乗効果について教えてください。
【田中様】まず、収益力はアップするのではないかと思います。収益力・財務面がアップしたことにより信用力がついてくる展開にしていきたいですね。
また弊社は管理面に関してかなり力を入れてきたので、他社様よりアドバンテージがあるポイントかなと思います。お互い培ってきたノウハウを、弊社の管理システムでシンプルにまとめてパッケージ化することが可能です。
【三輪】HPも拝見したのですがクラウドAIシステムなどフランチャイズの会員様も活用されてかなり順調ですね。
【田中様】そういったものに成功事例をまとめていくことができるので、属人化しないでM&Aもシンプルに可視化して相手が培ってきたノウハウも大切にまとめあげていくことができるのではないかなと考えています。
また、教育体制に関しても動画やeラーニングで行っているので、相手先に研修システムがなければ弊社のシステムに組み込むことができるかなと思っています。
【三輪】今後のご展開をお願いします。
【田中様】当面の目標としては売上30億、営業利益10%により近づけていくという計画を立てています。国内ではM&Aという手法で拡大していきたいと思っており、自分たちの守備範囲の地域を超えて拡大していけたらと思っています。また、事業再生において、現在のフランチャイズの本部でスーパーバイジングをするという流れから、事業再生という形でお手伝いするようなお仕事をどんどんブラッシュアップしていきたいと考えているので、そういった高度なお仕事を希望するメンバーも追加しながらやっていけたらいいなと思っております。
また事業展開としては、今就労支援でコーヒーや米、米粉を作ったりしていますが、そのコーヒーや米粉を使用してカフェをやろうとか色んな案が出てきているんですね。
そう考えると、飲食業や製造関係の買収の可能性もあります。軌道に乗れば就労支援や介護の事業でも勢いがつくので、それもありかなと考えています。
【三輪】今後、売却や買収を検討されている方にメッセージをお願いします。
【田中様】介護業界はまさに変革期であり、業界の再編がこれからさらに活発になっていきます。介護業界のサービスや想いを形にしてブラッシュアップしつづけていくと、必然的にみんな同じ志となっていくのではないかと思っています。
一緒になって事業を展開するからには力を合わせれば、より力強い会社を創り、サステナブルな事業を運営していく、日本の大切な文化になっていく、ということができるのではと考えています。M&Aもその志があればどの会社とも一緒にやっていけると思っています。